Is There Anything Else I Can Do for You?

O. Guy Morley February 14, 2020 This is a work of fiction. Names, characters, businesses, places, events, and incidents are either the products of the author’s imagination or used in a fictitious manner. Any resemblance to actual persons, living or dead, or actual events is purely coincidental. It was Serena’s first day as a customer … Continue reading Is There Anything Else I Can Do for You?

慎吾と麗名の旅奏曲(3):大西洋南下編

2020年2月6日(若干修正 2020年3月23日) 蓮 文句 1.ロンドン(イギリス) アメリカから国外追放となった慎吾と、名目ばかりのイギリス短期留学を終えた麗名は、ロンドンの安ホステルに滞在していた。ある日、麗名が外出から帰ってくると、ラウンジでは滞在者の多くがテレビでサッカーの観戦に夢中になっている。その中、片隅で慎吾が一人、日本語の本を読んでいた。麗名にとっては、このホステルで初めて見かける日本人であったので声をかけてみた。 「あの~、日本人ですよね。」 「そうです。」 「ここに座ってもいい?」 麗名は向かいのソファに座るとそこに置いてあった雑誌をパラパラとめくり始めた。慎吾はちょっと気になっているようで、ちらちらと麗名の方を覗いている。そして、口を出した。 「ここで日本人は珍しいね。旅行中?」 「ううん。短期留学が終わったところ。日本に帰りたくもないからここに来てみたんだ。」 「ふ~ん。気楽だな。」 「あんたは?」 「どこに行く当てもなくここに来た。アメリカで国外追放になった。」 「へ~。かっこいいじゃない。スパイかなんか?英語も得意なんだ。」 「かっこいいわけはないだろ。向こうでは小型機のパイロットだった。英語は得意じゃないけど、何とか使える。それじゃなきゃパイロットにはなれない。」 「なぜ国外追放なんかになったの?」 「ビザ無しだよ。見つかると厳しい。多分誰かが通報したんだろう。」 「お気の毒に。」 「大きなお世話だ。」 それからは、この二人、毎日顔を合わせることになる。数日後、ホステルのトーストと紅茶の簡単な朝食の時、麗名が尋ねた。 「あんた、なんていう名前?あたしは麗名。」 「吾輩は慎吾。」 「アッハッハ!!!」 周り全員が麗名の方を見る。 「うっ。まずい。それで~、その『吾輩』っていうのおかしいよ。古臭いんじゃない?」 「また大きなお世話だな。『オレ』とか『僕』とか『私』とか、どれも馴染まないだけだ。それだったらと、いっそのこと古典調にしてるだけだ。それより、その『麗名』っていうの、ちょっとおまえには似合わないんじゃないの?それ、もっとおしとやかな人のための名前じゃない?おまえだったら、いっそのこと『じゃじゃ馬』とか似合うよな。」 「この!まぁ、いいか。たしかにじゃじゃ馬かもしれないし。その~、吾輩君。ところで、いつまでここに居るの?」 「わからない。」 「これからどうするつもり?」 「またまた、大きなお世話だな。おまえこそどうするつもりだ?」 実は二人とも答えがなかった。 数日後の朝食の時、また麗名が声をかけた。 「あたし、ちょっと暇を持て余してるんだけど、町の中一緒に歩いてくれない?」 「ほぉ?ストレートだな。デートのお誘いかい。」 「いい気にならないでよ。今、暇だって言ったでしょ。他に日本人も知らないし、短期留学じゃ英語で恋人を作るほどの語学力も身に着かなかったからしょうがないんだよ。それに、自慢じゃないけど、少し方向音痴ですぐに道に迷っちゃってさ。」 「なんだ。口が悪い割には、なかなか素直じゃないか。いいよ、吾輩も暇と言えば暇だし。一緒に行ってやろうか。」 「偉そうな口をきくなぁ、この吾輩君は。まぁ、いいや。吾輩でも猫よりはましだろう。早く行こうよ。」 その日、二人は普通の観光客が行くようなところに行った。実は二人共それまで市内観光などしてはいなかったのだ。ゆっくりと流れるテムズ川を覗きながら、慎吾が話し始めた。 「のどかだな。おまえとデートもまんざらではないかな。」 「それ見たことか。あんたも意外と素直じゃん。」 「そうさ。ずっと一人だったし。」 「へ~、何にもなかったの?」 「何にもと言う訳じゃないが。結論から言えば大したことはなかったな。」 「おかわいそうに。」 「大きなお世話だ。おまえは?」 「あたしは、少しはもてたよ。昔の話だけどね。高校の時はハーモニカ部でつきあってた。最後は振られちゃったけどね。」 「そうか。それは気の毒だな。」 「大きなお世話だよ。人は失恋で強くなる。あんたはパイロットだったていうけど、他に何かしてた?」 「吾輩は手品師であった。」 「また、その吾輩~。でも、ちょっとおもしろいな。その、手品なんて。」 「高校の時のクラブさ。今でも出来るよ。ほら。」 慎吾は麗名のカバンからコインを取り出してみせる。 「へ~。やるじゃない。」 「それだけじゃない。ほら。」 今度は何かカードを取り出した。それを見て麗名はびっくりしたと同時に怒り出した。 … Continue reading 慎吾と麗名の旅奏曲(3):大西洋南下編